探偵事務所の逮捕事例

逮捕

これまでに探偵事務所が逮捕された事例とは?

信頼できる探偵事務所を選ばないとトラブルに巻き込まれるかもしれません。

現在、日本全国には多数の探偵事務所が存在し、それぞれが浮気調査や家出人捜索、身元調査などの様々な業務を遂行しています。探偵業は非常に幅広い分野にわたる調査を手掛けるため、専門的な技術と知識が求められる一方で、法的な規制も厳しく設けられています。とはいえ、探偵業に従事する者の中には、法令を守らずに違法行為を行うケースも見受けられます。このため、調査を依頼する際には、その探偵会社が本当に信頼できるものであるかを慎重に見極めることが重要です。

探偵が逮捕される事例も決して少なくありません。これまでには、探偵業法違反や詐欺行為により逮捕されるケースが多く報告されています。例えば、探偵業法違反の疑いで逮捕されたケースでは、探偵事務所を開設する際に虚偽の学歴や経歴を記載し、実際には業務を行っていなかったり、業務内容に虚偽の申告を行ったりしていた場合があります。こうした虚偽の記載は、業務の信頼性を著しく損なうものであり、法的な処罰の対象となります。

さらに、詐欺行為に関する逮捕も見られます。依頼者からの現金を騙し取るといった行為が該当します。たとえば、依頼者に対して虚偽の説明を行い、調査を行わずに料金だけを不正に徴収することなどが詐欺にあたります。これらの行為は、探偵業に対する信頼を大きく損なうだけでなく、法的に重い処罰を受ける可能性があります。

探偵業を行うには、事前に各都道府県公安委員会に対して正式な届け出を行う必要があります。この届け出は、探偵業を合法的に運営するためのものであり、探偵業法に基づいて適切な手続きを踏むことが求められます。届け出を行わずに「無登録」で探偵業務を遂行すると、探偵業法違反として罪に問われることになります。この違反は、業務停止や営業許可の取り消しなどの行政処分の対象となるだけでなく、業界全体の信頼性にも悪影響を及ぼします。

つまり、探偵業を行う際には、法令を厳守し、適正な手続きを行うことが不可欠です。依頼者としても、探偵事務所が正規に登録されているかどうかを確認し、信頼できる業者に依頼することが重要です。探偵業法に基づく届け出を行っているかどうかや、過去の業務実績、顧客からの評判などを十分に調査することで、安心して依頼できる探偵会社を選ぶことができるでしょう。

もし、探偵事務所に調査を依頼したいと考えているのであれば、ただ調査内容や費用だけに注目するのではなく、きちんと届出を済ませている探偵会社であるかを見極めることが必要です。

逮捕事例

CASE 1

京都府警の中京署は、ある男性がストーカー行為を行っていると認識しながら、その対象となる女性の個人情報を提供し、犯行を助けたとして、探偵業を営む〇〇容疑者(55歳)を逮捕しました。この事件は9月27日に報道されました。

〇〇容疑者は、京都市下京区に居住しており、逮捕に至る経緯として、女性の勤務先に無職の男性(63歳)が押しかけたことが挙げられます。この男性はストーカー規制法に違反する行為を行ったとして逮捕され、その後の捜査によって〇〇容疑者の関与が明らかになりました。

逮捕された〇〇容疑者は、「依頼者の息子のために調査を行ったので、住所などの情報を教えたことは間違いない」と供述しているとのことです。具体的には、令和5年9月にこの無職男性からの依頼を受けて、女性の居住地やその他の個人情報を提供し、結果としてストーカー行為を助けてしまったという内容です。

このような行為は、ストーカー規制法に反するだけでなく、被害者にとって非常に深刻な影響を及ぼすため、警察は厳正に対処する方針を示しています。中京署は引き続き捜査を進め、他に関与している人物がいないかどうかを確認しているとのことです。

CASE 2

福岡県中央区において、探偵業を営む〇〇容疑者が、法令に基づく届け出を行わずに営業をしていたとして逮捕されました。この逮捕は、探偵業務の適正化に関する法律違反の疑いに基づくもので、探偵業法が施行されて以降、全国で初めての摘発事例となります。

〇〇容疑者は、「探偵業を始める際に届け出をする必要があることは知っていた」と容疑を認めているとのことです。探偵業法は2007年6月1日に施行され、営業を開始する前に必ず都道府県公安委員会に届け出を提出する義務が課せられています。また、施行前から営業を行っていた業者は、7月2日までに届け出を行う必要がありました。しかし、〇〇容疑者はこの規定を無視し、インターネットや各種情報誌を通じて広告を行い、届け出の期限が過ぎた後も依頼を受け、調査料金を受け取っていたとされています。

この問題が明るみに出たのは、〇〇容疑者の元従業員である男性が未払いの給料について警察に相談したことがきっかけでした。この通報により、無届けで営業を行っていた事実が発覚し、警察は即座に捜査に乗り出しました。現在、〇〇容疑者に対しては厳正な法的措置が講じられる見込みであり、今後の捜査の進展が注目されています。

CASE 3

警視庁は、相談者が心神耗弱の状態にあることを知りながら、不当な方法で調査料金を請求したとして、探偵事務所を運営する「M」(東京都渋谷区)の社長を含む3人の男性を準詐欺の容疑で逮捕しました。この発表は2日に行われました。警視庁によれば、この探偵事務所は同様の手法を用いて、215人から総額約1億3千万円を不正に得ていたと見られています。

逮捕されたのは、同社の社長である〇〇容疑者(49歳)と、当時の従業員である〇〇容疑者(35歳)、〇〇容疑者(27歳)の3人です。生活安全総務課によると、彼らは2020年の5月から11月の間に、特定の50代の男女2人が「電磁波攻撃を受けている」と訴えた際、心神耗弱に陥っていることを利用し、調査料金として約80万円を不当に請求したとされています。

現在のところ、3人の容疑者は自らの認否については明らかにしていません。警視庁は、今回の逮捕を受けて、他にも同様の被害を受けた相談者がいる可能性があるとして、さらなる捜査を進める方針を示しています。この事案は、探偵業界の不正行為に対する警察の厳しい姿勢を反映しているといえるでしょう。

恐喝によって逮捕されたケース

探偵業界には、依頼者に対して金銭を要求する「恐喝」や、「名誉毀損」といった違法行為を行う探偵も存在し、こうした行為により逮捕される事例も報告されています。例えば、夫や恋人の浮気調査を依頼してきた女性に対して、調査内容を暴露すると脅して高額な現金を請求するという行為がありました。この場合、調査結果やその過程を利用して依頼者に圧力をかけ、不当な金銭を要求することは、恐喝行為に該当します。こうした行為は明確に違法であり、探偵業法に違反するだけでなく、刑法にも触れる可能性が高いです。

さらに、依頼主と共に浮気相手や第三者を中傷するビラを配布したり、名誉を毀損するような活動を行った探偵も逮捕されています。例えば、浮気調査を依頼したクライアントと一緒に、調査対象者を悪意をもって中傷するビラを配布する行為は、名誉毀損に該当します。こうした行為は、調査対象者の社会的評価や名誉を不当に傷つけるものであり、法的に重大な問題となります。名誉毀損は、民事訴訟の対象となるだけでなく、刑事罰の対象にもなり得ます。

通常、探偵は「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」を遵守しながら調査業務を進めることが求められます。この法律は、探偵業務の適正化を図り、業務を行う上での基本的なルールや倫理基準を定めています。探偵業法には、調査の手法や依頼者との契約、調査結果の取り扱いなど、探偵業務全般に関する規定が含まれています。この法律に従って業務を行うことで、探偵は適正かつ合法的に業務を進めることができますが、法の枠を超えた調査や違法行為は厳しく制限されています。

探偵が違法な調査を行った場合、その影響は探偵自身にとどまらず、依頼主にも及ぶ可能性があります。例えば、探偵が違法な手段で調査を行った場合、依頼主も共犯として罪に問われることがあります。依頼主がその違法行為を知っていた場合、またはそれに加担していた場合には、依頼主も法的に責任を問われることがあります。したがって、調査を依頼する際には、探偵が法令を遵守しているかどうかを確認し、信頼できる探偵会社を選ぶことが非常に重要です。依頼主としても、違法な手段を用いる探偵を選んでしまうと、自らも法的なリスクを背負う可能性があるため、十分に注意を払う必要があります。

弁護士違反にあたる業務を探偵が行うことも違法

弁護士資格を持たない者が法律業務を行うことは、日本の法律において非常に厳格に規制されています。具体的には、「弁護士法違反」として取り締まられることになり、こうした行為は法的な罰則を伴う場合があります。たとえば、依頼主の代理として対象者に対して退去要求を行うことは、明確に弁護士業務に該当し、資格を持たない者が行うと、法的な問題を引き起こす可能性があります。

このような法律業務を行うことによって、逮捕されるリスクが高まるため、十分な注意が必要です。弁護士法では、法律業務を行うには必ず弁護士資格が求められるため、依頼主のために何らかの法律的な行動を取る際には、自身がその資格を持っているかどうかを常に意識しなければなりません。

さらに、探偵業務についても同様の注意が必要です。依頼主から依頼を受けた探偵が、報酬を受け取って仲裁業務を行うことは認められていません。これは、探偵が法律上の代理人としての役割を果たすことはできないという原則に基づいています。したがって、依頼した探偵がその業務の範囲を超えて弁護士業務に関与していないかどうかを、必ず自身の目で確認することが重要です。

特に、依頼主としては、法律に基づく適切な手続きを踏んで問題を解決するためには、弁護士に相談することが最も安全で効果的な方法です。弁護士は、法律に関する専門的な知識と経験を持ち、適切な法的アドバイスを提供することができますので、何か法律的な問題に直面した場合には、信頼できる弁護士に依頼することを強くお勧めします。

最終的には、法律業務における適切な手続きを遵守することが、自身や他者を守るためにも非常に重要です。法律に違反する行為は、結果として重い責任を伴うことになりますので、くれぐれも注意を怠らずに行動するようにしましょう。

信頼できる探偵はこう見わける

信頼できる探偵を見極めるためには、まずその探偵が合法的に調査を行っているかどうかを確認することが非常に重要です。探偵に調査を依頼したいと思った際、安心して頼むためには、いくつかのポイントに留意する必要があります。まず、探偵業は届け出が義務付けられており、届け出を行っていない探偵には注意が必要です。過去に逮捕された探偵の多くは、この届け出を怠っていたことが多く、そのため依頼する際には必ず探偵業届出証明書を確認することが大切です。この証明書があることで、探偵が法的に認可された業者であることが確認でき、依頼主としても安心感が得られます。

探偵事務所が行う調査にはさまざまな種類があり、身元調査はその中の一つです。対象者の学歴や職歴を調査すること自体は合法ですが、本人の許可なしに行うと違法になる可能性があります。そのため、調査の手法や内容について十分な説明を受けることが必要です。また、身元調査に関しては、差別につながる内容を調べることは厳禁です。たとえば、過去の犯罪歴を調査することは差別的行為と見なされるため、依頼主が強く希望しても探偵はそれに応じることができません。この点を理解しておくことが、信頼できる探偵を選ぶための基準の一つとなります。

さらに、探偵事務所が行ってはならない行為もあります。例えば、他人の敷地に無断で侵入して盗撮や盗聴を行うことや、警察官になりすまして聞き込みを行うことは、いずれも犯罪行為です。こうした違法行為を行った場合、探偵は法的な責任を問われることになります。これまでに探偵が逮捕された事例は多岐にわたり、その中には明らかに法律を逸脱した行為が含まれています。依頼主としては、探偵の選定において、こうしたリスクをしっかりと考慮し、信頼性の高い探偵事務所を選ぶことが求められます。

最終的には、依頼主自身がしっかりと調査し、利用する探偵事務所の信頼性を見極めることが重要です。業者の口コミや評判、過去の実績を調べることも一つの方法です。また、実際に相談をしてみて、探偵の対応や説明が丁寧であるかどうかを確認することも、大切なポイントとなります。これらの確認を通じて、自分にとって信頼できる探偵事務所を見つけ出すことが、安心して依頼をするための最良の方法です。