探偵の七つ道具
昭和の探偵の七つ道具
昭和時代の探偵には「探偵の七つ道具」などと呼ばれた、常時持ち歩くべき道具がいくつかありました。
以前の探偵の七つ道具
- 一眼レフカメラ
- 小型カメラ
- 手帳・ペン
- 単眼鏡
- マイクロカセットレコーダー
- トランシーバー
探偵によっても多少の違いがあったかもしれませんが、まずは「一眼レフカメラ」と「小型カメラ」「手帳とペン」「単眼鏡」「マイクロカセットレコーダー」「トランシーバー」などが挙げられたかと思います。
他にもカメラで使用する「フィルム」も感度の違う物を数種類、また一眼レフカメラの「望遠用レンズ」、探偵によっては「コンクリートマイク」等も持っていたのです。
さらに簡単な「変装用の上着やメガネ」「地図」なども持ち歩いていることは結構あったと言われています。
以上の道具を持ち歩くとなるとなかなかの荷物となり、それなりのバックに詰め、重たい思いをして尾行、張り込みの現場に赴いたものです。
探偵七つ道具の変化
現在の探偵の七つ道具?
- ビデオカメラ(デジカメ)
- スマホ
- ICカード
- 変装用メガネ・服
- GPS
現在ではカメラのデジタル化が進み、小型カメラひとつでも望遠がかなり効くものも出回り、スマートフォンでも代理として利用することは可能となってきています。
更に交換フィルムも持ち歩くことは無くなりましたし何枚でも撮れるのは助かります。
しかも小型のビデオカメラの進歩にもめざましいものがあり、長時間も持つものも出まわっています。
またマイクロカセットテープは、ICレコーダー、さらにスマホの録音アプリへと進化して小型化、長時間録音が可能となり、手帳代わりに利用できます。
地図においても重たい書籍で持ち歩くことはなく、スマホの地図アプリで詳細のものが簡単に見てとれます。
ですからカメラは小型軽量化したものを1台、望遠レンズやフィルム、地図などは持たなくなり、せいぜい単眼鏡と変装用のメガネと代え上着程度となり、小さめのバックでことが済むようになったのも大きな違いです。
確かにトランシーバーを装着する場合もありますが、スマホのグループ電話での代用がきくようになり、これもまた大きな変化と言えるでしょう。
また以前の探偵は尾行調査では必ず「小銭」を用意していたものです。
しかし、今ではスイカなどの「交通ICカード」でほとんどの路線が対応しており、現代ではせいぜい対象者が定期券を利用し駅を通り抜ける際に注意をする程度の状況です。
調査方法の変化は…
これだけ以前と比べて探偵の七つ道具が少なくなったのは探偵としても大助かりですが、尾行、張り込みと言う調査方法は以前から変わらずにアナログそのものです。
調査対象者を待ち続け、確認したら追跡を開始、どのような状況になるまでを目視しながら尾行していくのです。
当然、どこかの施設にはいれば規模にもよりますが出入口で待ち続けるという張り込みをします。
これまたアナログ的な手法です。
しかし、車の尾行については大きく変化しました。「GPS発信器」の開発です。
対象者車両に装着しておければ、たとえ見失ったとしてもその後に発見することが可能となり、そのまま尾行が継続できるようになりました。
この技術は探偵にとって驚くべき進化となっています。
何しろ以前の車の追跡は、一度見逃してしまうとそれはその日の調査の終了を意味していました。
特に東京などの大都会ではどうすることもできませんでした。
こちらの探偵車両が信号に引っかかってしまうだけでも高い確率で見失っていたのです。
何しろ大都会では車の量と信号機の多さははんぱない量です。
以前の探偵はそれでも運転技術を学び、多少、信号無視などの交通法規に違反しようとも自己責任で頑張ったものでした。
このGPS発信器は調査業界の革命と言っても過言ではないでしょう。
ただこのGPS発信器は配偶者や子供の車両への装着、会社からの依頼で営業車に装着するのは問題ありませんが、第三者の車両に無断で装着するといろいろと刑法に抵触、処罰の対象となります。
現代の探偵はデジタル化の進化に伴い七つ道具もいろいろと変貌してきましたが、調査の基本となる尾行、張り込み、聞き込みは以前と同様にアナログそのものです。
どんなに科学的に進歩してもこの尾行、張り込み、聞き込みの方法はしばらく変わることはなく、経験がものを言う探偵の技術なのでしょうね。