良い探偵は弁護士が知ってる?

良い探偵を探しているのなら「弁護士に紹介してもらうのが一番」だという話があります。

これは弁護士さんというのは仕事柄、探偵による報告書を読むことや時には仕事上の調査依頼などで探偵事務所を活用することがあるので、自然としっかりとした技能がある探偵事務所や信頼のおける探偵事務所に関する情報が入ってくるケースが多いというところから来ています。

ただしこの話には注意が必要なところがあります。

それは弁護士なら誰もが必ず最適な探偵事務所を紹介できるわけではないという点です。

探偵と弁護士の関係

弁護士さんのお仕事は、企業間の係争から刑事事件、権利問題や離婚を含めた家族間のトラブルなど実にさまざまな分野に及んでいます。

また探偵が関わる仕事も、浮気調査から結婚相手や社員の素行調査、勤務先調査や人探し、ペットの探索、盗聴器の調査、お店の覆面調査など実に多岐にわたっています。

当然、企業の顧問弁護活動を主にしているような弁護士の場合、浮気調査に強い探偵事務所と言われてもすぐには思い当たらないかもしれませんし、離婚調停を取り扱っている弁護士だと行方不明者の捜索の実績がある探偵事務所となると付き合いがないというケースもあるでしょう。

弁護士に探偵事務所を紹介してもらう際でも、まずは自分が依頼したい内容を整理して、その分野につながりのある業務を手がけている弁護士に相談してみるのが無難です。

探偵に対する弁護士と依頼者の評価は異なる

また探偵の仕事の評価に関しても、依頼者と弁護士の視点では少し違いがあることを知っておくのも重要です。

※視点の違い

弁護士:証拠(報告書の内容)を重要視

依頼者:料金 > 証拠(報告書の内容)

探偵事務所から提出される報告書の評価にしても、弁護士としては裁判で通用するかどうかという点が重要になります。

たとえば浮気調査の証拠写真一つを考えてみても、人物の特定はもちろんですが、日時や場所など客観的に特定することができるものを的確に用意できるのかというのが評価の分かれ目となります。

しかし、その一方で依頼者となる一般の人の場合は、そこまでのクオリティーを求めるよりも料金面での妥協を重要視したいというケースもあるでしょう。

依頼者の考え方によっては、離婚などは考えていないので相手さえ特定できればあとは大まかな証拠で十分、というケースもあるかもしれません。

ただ、実際に離婚裁判までもつれ込むケースは少ないとはいえ、最初から裁判にも使えるようなきちんとした証拠を確保することで泥沼になるのを回避できるという場合もありますので、最適な形はケースバイケースです。

ご自身がどの程度のものを求めるのかを最初に考えておくのも、うまく探偵に仕事を依頼するコツの一つです。

ベストな提案をしてくれる探偵事務所を探す

多くの場合、探偵への仕事の依頼というと何かしら決まった形のフォーマットがあるわけではありません。

探偵の仕事は、依頼内容によって個別にカスタマイズがなされていくものです。

たとえば調査対象や期間、範囲、そして手法などクライアントが置かれている状況や要望によって、最適なものは異なってきます。

さらに当然のことながら、費用の面も考慮に入れる必要もあります。

こうした点を考慮に入れつつ個別に調査の計画を立てていくわけですが、探偵事務所によっては調査手法に得意不得意があり、提案されない手法もあるかもしれません。

また各々の探偵によって、必要十分な調査の範囲に対する考え方の違いがあったりします。

もし調査の計画に納得がいかなければ、たとえ弁護士さんからの紹介であったとしても着手する前に依頼する探偵事務所を変えるのも一つの手です。

状況や相談内容は人それぞれですので、最適な探偵事務所もまた一概には言えません。

弁護士からの紹介はあくまで参考程度と考えておくと良いでしょう。