料金相場・注意点・信頼できる事務所の選び方
はじめての探偵依頼で失敗しないために:料金相場・注意点・信頼できる事務所の選び方

「探偵に相談するほどのことかな……」と思いつつ、頭の片隅ではずっと引っかかっている。そんな状態で毎日を過ごすのは、けっこう消耗します。浮気の疑い、ストーカーや嫌がらせ、家族の行方、結婚前の不安、会社のトラブル。理由は違っても、共通しているのは「事実が分からないから判断できない」というしんどさです。
探偵事務所は、その“判断に必要な材料”を集めるサービスです。ただ、はじめて頼む人にとっては、料金の仕組みも選び方も分かりにくい。そこでこのコラムでは、相場を断言するのではなく、見積もりの読み方・失敗しやすい落とし穴・信頼できる事務所の見分け方を、できるだけ噛み砕いてまとめます。
- 1) 料金の基本は「人 × 時間」:ここだけ押さえると迷いにくい
- 2) 料金プランは主に3つ:向き不向きがある
- 3) 「相場はいくら?」より大事:見積もりの“中身”チェック
- 4) 初心者がやりがちな失敗パターン(よくある順)
- 5) 信頼できる事務所の見分け方:チェックはこの6つ
- 6) 相談前に準備すると楽になるメモ(これだけでOK)
- 7) 相談〜調査〜報告の流れ(当日の不安を減らすために)
- 8) 依頼者側が気をつけると、調査がやりやすくなること
- 9) 相談時にそのまま使える「質問テンプレ」
- 10) 契約書で見るべきポイント(ここが抜けると揉めやすい)
- 11) 報告書って何を見る?(受け取った後のチェック)
- 12) まとめ:迷ったら「比較のしかた」だけ決めよう
1) 料金の基本は「人 × 時間」:ここだけ押さえると迷いにくい
探偵費用は、だいたい次の式で決まります。
調査員の人数 × 稼働時間 + 実費(交通費など)
尾行や張り込みは、ドラマみたいに1人でずっと追いかけるものではありません。現実は、見失わないために複数人で回すことが多いです。対象者が急にタクシーに乗ったり、駅の改札を変えたり、店を出た瞬間に方向転換したりするだけで、1人だとかなり厳しいからです。
なので見積もりを見るときは、まずここを確認します。
何名体制で動く想定なのか
何時間(何日)を見込んでいるのか
この2点が説明できない事務所は、あとから金額がブレやすいので注意です。
2) 料金プランは主に3つ:向き不向きがある
A. 時間制(時間単価 × 時間)
いちばんイメージしやすい料金です。必要な日だけピンポイントで入れられる反面、予定がズレると伸びやすいのが特徴。
向いているケース
怪しい曜日・時間がだいたい絞れている
1〜2回で結果が出そう
予算の上限を小刻みに調整したい
気をつけたい点
「調査員の人数」が別で掛け算になることが多い
延長の単位(30分ごと、1時間ごと等)で総額が変わる
B. パック料金(○時間・○日で固定)
「20時間パック」など、枠で買うタイプ。単価が下がることもあり、見通しが立てやすいです。
向いているケース
何回か張り込む必要がありそう
相手の行動が読みにくく、長期になりそう
“上限が決まっている安心感”が欲しい
気をつけたい点
使い切れなかった分の扱い(返金/繰越/消滅)
途中で方針変更したいときのルール
C. 成功報酬型(成功したら支払う)
言葉だけ聞くと魅力的ですが、いちばん揉めやすいのもここです。理由は「成功」の定義が事務所ごとに違うから。
必ず確認したい点
“成功”は何を指すのか(証拠1回?相手特定?所在確認?)
着手金や基本料金が別でかかるのか
成功に届かなかった場合の扱い(減額?ゼロ?)
成功報酬は、条件が書面でスパッと明確ならアリ。曖昧なら避けた方が安全です。
3) 「相場はいくら?」より大事:見積もりの“中身”チェック

探偵費用はケース差が大きく、金額だけで横並びにしにくいです。たとえば浮気調査でも、車移動か電車移動か、都市部か地方か、警戒心が強いかで必要な人員も時間も変わります。
だからこそ、相場を探すより「見積もりの中身」を見た方が失敗が減ります。
見積もりで必ず確認したい項目
調査員の人数と内訳(何名で動く前提か)
稼働時間の想定(何時間/何日、いつ実施するか)
実費の扱い(交通費・車両費・高速代・宿泊費など)
延長時の料金(単位と上限の有無)
報告書の費用(含まれる/別料金)
キャンセル・日程変更の条件
ここが「口頭だけ」「ざっくり一式」だと、後で揉めやすいです。
4) 初心者がやりがちな失敗パターン(よくある順)
失敗1:追加料金が積み重なって予算オーバー
最初は安く見えても、実費や延長で膨らむことがあります。
防ぎ方
追加が出る条件を“書面で”もらう
実費の目安(上限感)を先に聞く
延長は何分単位か、どこで止められるかを決めておく
失敗2:証拠の質が弱くて使いにくい
写真が暗い、人物が判別できない、時系列が曖昧。これだと「調べたのに意味が薄い」になりがちです。
防ぎ方
報告書のサンプルを見せてもらう
写真が“誰が・どこで・何をしているか”分かるレベルか確認
法的手続きを考えているなら最初に伝える(必要な形が変わります)
失敗3:その場の勢いで契約してしまう
不安が強いほど、押しの強い営業に流されやすいです。
防ぎ方
見積もりと契約書は持ち帰って読む
できれば2社以上を比較する
「今日決めないと損」は基本スルーでOK
失敗4:違法な調査に巻き込まれる
「住民票が取れる」「相手の家に入れる」など、危ない提案をする事務所は論外です。依頼者側もトラブルになります。
防ぎ方
調査方法を具体的に説明できるかを見る
“何でもできます”タイプは避ける
不安なら弁護士や公的相談窓口に確認する
5) 信頼できる事務所の見分け方:チェックはこの6つ
広告や口コミだけで決めるとズレることがあります。相談の場で見えるポイントを優先しましょう。
できること/できないことをはっきり言う
見積もりの内訳が細かい(人数、時間、実費、延長)
追加料金の条件が書面にある
契約を急かさない(検討時間をくれる)
報告書のサンプルが出せる、説明が具体的
不安を煽らず、状況整理と選択肢提示が中心
特に「不安を煽るか/整理してくれるか」は体感で分かります。ここが合わないと、調査中のやり取りもストレスになります。
6) 相談前に準備すると楽になるメモ(これだけでOK)

浮気・不倫の疑い
怪しい曜日・時間帯
帰宅が遅い日、外泊、連絡が途切れる時間
よく行く場所、使う交通手段
直近の具体的な出来事(発言、行動の変化)
人探し・所在確認
最後に確認できた日時・場所
交友関係、行きそうな場所
SNSや連絡手段の情報
生活圏の手がかり(通勤、趣味、よく行く店)
ストーカー・嫌がらせ
被害の内容を時系列で(いつ/どこで/何が)
起きやすい場所と時間帯
証拠(メモ、写真、スクショ、通話履歴など)
完璧じゃなくて大丈夫です。断片の寄せ集めでも、調査設計の材料になります。
7) 相談〜調査〜報告の流れ(当日の不安を減らすために)
だいたい次の順番です。
問い合わせ(電話・メール・LINEなど)
ヒアリング(状況と目的の整理)
プラン提示と見積もり
契約(書面で確認)
調査実施
報告(報告書・写真など)
必要なら次の相談(弁護士相談など)
ポイントは「3)の時点で、疑問が残っていない状態にする」こと。分からないまま進めると、たいてい後で後悔します。
8) 依頼者側が気をつけると、調査がやりやすくなること

調査の腕だけでなく、依頼者の行動で結果が変わることもあります。
調査中は相手を問い詰めない(警戒されると難易度が上がる)
自分で危ないことをしない(無断GPS、スマホ覗き見などはリスク)
予定変更や外出の兆しがあれば早めに共有する(当日情報は強い)
「やりたい気持ち」を抑えるのが一番難しいのですが、ここを守るだけで成功率が上がるケースがあります。
9) 相談時にそのまま使える「質問テンプレ」
初回相談は緊張します。聞くことを事前に決めておくと、流されにくくなります。下の質問は、ほぼそのまま読んでOKです。
見積もり・料金について
今回のケースだと「何名体制」を想定していますか?
1回あたり何時間くらいを見込んでいますか?(根拠も聞く)
交通費・車両費などの実費は、どこまで入っていますか?
延長になったら、何分(何時間)単位でいくら増えますか?
上限(ここで止めるライン)を決める運用はできますか?
報告書の作成費は料金に含まれますか?
調査のやり方について
どういう方法で調査しますか?(尾行・張り込みの想定)
こちらが協力できること/しない方がいいことはありますか?
バレるリスクが高い状況はありますか?(警戒されている等)
予定変更が多い場合、どう対応しますか?
報告とその後について
報告書はどんな形式ですか?(時系列、写真の数、動画の有無)
弁護士に渡せるレベルの報告書ですか?(必要な人だけ)
調査後に追加調査が必要になるのはどんなときですか?
この質問に“具体的に”答えられる事務所ほど、運用がしっかりしている傾向があります。
10) 契約書で見るべきポイント(ここが抜けると揉めやすい)

契約書は読むのが面倒ですが、最低限ここだけは確認したいです。
契約期間(いつからいつまで)
料金の内訳(人数・時間・単価・実費)
追加料金が発生する条件(延長、深夜、遠方など)
中途解約の条件(返金の有無、手数料)
キャンセル規定(前日・当日で何%など)
報告書の納品方法(紙/データ、納期)
個人情報の扱い(写真やデータの保管期間など)
“口頭では言ってた”は通りません。書面に書いてあるかどうかが基準です。
11) 報告書って何を見る?(受け取った後のチェック)

報告書を受け取ったら、次の点を確認すると状況整理がしやすいです。
日時がはっきり書かれているか(開始・終了・移動)
場所が特定できるか(店名、住所、駅名など)
写真が“誰の何の場面か”分かるか
行動が時系列で追えるか(飛び飛びだと弱い)
重要な場面が連続して押さえられているか
目的が「話し合い」なら、ここまで厳密でなくても良い場合があります。目的が「慰謝料請求や調停」なら、時系列と継続性が大事になりやすい。最初に目的を伝える理由はここです。
12) まとめ:迷ったら「比較のしかた」だけ決めよう
探偵に頼むこと自体がゴールではありません。目的は、事実を知って、次の選択をしやすくすることです。
迷っているなら、次の順で進めるとブレにくいです。
目的を一言で決める(例:事実確認/証拠/安全確保)
予算上限を決める(例:ここまで)
2社に相談して、見積もりの“内訳と説明”を比べる
契約書の重要項目(追加・解約・報告)を比べる
「煽られない」「説明が具体的」な方を選ぶ
勢いで決めるとしんどくなりがちです。落ち着いて比較できれば、それだけで失敗はかなり減ります。

