料金相場・注意点・信頼できる事務所の選び方

はじめての探偵依頼で失敗しないために:料金相場・注意点・信頼できる事務所の選び方

「探偵に相談するほどのことかな……」と思いつつ、頭の片隅ではずっと引っかかっている。そんな状態で毎日を過ごすのは、けっこう消耗します。浮気の疑い、ストーカーや嫌がらせ、家族の行方、結婚前の不安、会社のトラブル。理由は違っても、共通しているのは「事実が分からないから判断できない」というしんどさです。

探偵事務所は、その“判断に必要な材料”を集めるサービスです。ただ、はじめて頼む人にとっては、料金の仕組みも選び方も分かりにくい。そこでこのコラムでは、相場を断言するのではなく、見積もりの読み方・失敗しやすい落とし穴・信頼できる事務所の見分け方を、できるだけ噛み砕いてまとめます。

1) 料金の基本は「人 × 時間」:ここだけ押さえると迷いにくい

探偵費用は、だいたい次の式で決まります。

調査員の人数 × 稼働時間 + 実費(交通費など)

尾行や張り込みは、ドラマみたいに1人でずっと追いかけるものではありません。現実は、見失わないために複数人で回すことが多いです。対象者が急にタクシーに乗ったり、駅の改札を変えたり、店を出た瞬間に方向転換したりするだけで、1人だとかなり厳しいからです。

なので見積もりを見るときは、まずここを確認します。

何名体制で動く想定なのか

何時間(何日)を見込んでいるのか

この2点が説明できない事務所は、あとから金額がブレやすいので注意です。

2) 料金プランは主に3つ:向き不向きがある

A. 時間制(時間単価 × 時間)

いちばんイメージしやすい料金です。必要な日だけピンポイントで入れられる反面、予定がズレると伸びやすいのが特徴。

向いているケース

怪しい曜日・時間がだいたい絞れている

1〜2回で結果が出そう

予算の上限を小刻みに調整したい

気をつけたい点

「調査員の人数」が別で掛け算になることが多い

延長の単位(30分ごと、1時間ごと等)で総額が変わる

B. パック料金(○時間・○日で固定)

「20時間パック」など、枠で買うタイプ。単価が下がることもあり、見通しが立てやすいです。

向いているケース

何回か張り込む必要がありそう

相手の行動が読みにくく、長期になりそう

“上限が決まっている安心感”が欲しい

気をつけたい点

使い切れなかった分の扱い(返金/繰越/消滅)

途中で方針変更したいときのルール

C. 成功報酬型(成功したら支払う)

言葉だけ聞くと魅力的ですが、いちばん揉めやすいのもここです。理由は「成功」の定義が事務所ごとに違うから。

必ず確認したい点

“成功”は何を指すのか(証拠1回?相手特定?所在確認?)

着手金や基本料金が別でかかるのか

成功に届かなかった場合の扱い(減額?ゼロ?)

成功報酬は、条件が書面でスパッと明確ならアリ。曖昧なら避けた方が安全です。

3) 「相場はいくら?」より大事:見積もりの“中身”チェック

探偵費用はケース差が大きく、金額だけで横並びにしにくいです。たとえば浮気調査でも、車移動か電車移動か、都市部か地方か、警戒心が強いかで必要な人員も時間も変わります。

だからこそ、相場を探すより「見積もりの中身」を見た方が失敗が減ります。

見積もりで必ず確認したい項目

調査員の人数と内訳(何名で動く前提か)

稼働時間の想定(何時間/何日、いつ実施するか)

実費の扱い(交通費・車両費・高速代・宿泊費など)

延長時の料金(単位と上限の有無)

報告書の費用(含まれる/別料金)

キャンセル・日程変更の条件

ここが「口頭だけ」「ざっくり一式」だと、後で揉めやすいです。

4) 初心者がやりがちな失敗パターン(よくある順)

失敗1:追加料金が積み重なって予算オーバー

最初は安く見えても、実費や延長で膨らむことがあります。

防ぎ方

追加が出る条件を“書面で”もらう

実費の目安(上限感)を先に聞く

延長は何分単位か、どこで止められるかを決めておく

失敗2:証拠の質が弱くて使いにくい

写真が暗い、人物が判別できない、時系列が曖昧。これだと「調べたのに意味が薄い」になりがちです。

防ぎ方

報告書のサンプルを見せてもらう

写真が“誰が・どこで・何をしているか”分かるレベルか確認

法的手続きを考えているなら最初に伝える(必要な形が変わります)

失敗3:その場の勢いで契約してしまう

不安が強いほど、押しの強い営業に流されやすいです。

防ぎ方

見積もりと契約書は持ち帰って読む

できれば2社以上を比較する

「今日決めないと損」は基本スルーでOK

失敗4:違法な調査に巻き込まれる

「住民票が取れる」「相手の家に入れる」など、危ない提案をする事務所は論外です。依頼者側もトラブルになります。

防ぎ方

調査方法を具体的に説明できるかを見る

“何でもできます”タイプは避ける

不安なら弁護士や公的相談窓口に確認する

5) 信頼できる事務所の見分け方:チェックはこの6つ

広告や口コミだけで決めるとズレることがあります。相談の場で見えるポイントを優先しましょう。

できること/できないことをはっきり言う

見積もりの内訳が細かい(人数、時間、実費、延長)

追加料金の条件が書面にある

契約を急かさない(検討時間をくれる)

報告書のサンプルが出せる、説明が具体的

不安を煽らず、状況整理と選択肢提示が中心

特に「不安を煽るか/整理してくれるか」は体感で分かります。ここが合わないと、調査中のやり取りもストレスになります。

6) 相談前に準備すると楽になるメモ(これだけでOK)

浮気・不倫の疑い

怪しい曜日・時間帯

帰宅が遅い日、外泊、連絡が途切れる時間

よく行く場所、使う交通手段

直近の具体的な出来事(発言、行動の変化)

人探し・所在確認

最後に確認できた日時・場所

交友関係、行きそうな場所

SNSや連絡手段の情報

生活圏の手がかり(通勤、趣味、よく行く店)

ストーカー・嫌がらせ

被害の内容を時系列で(いつ/どこで/何が)

起きやすい場所と時間帯

証拠(メモ、写真、スクショ、通話履歴など)

完璧じゃなくて大丈夫です。断片の寄せ集めでも、調査設計の材料になります。

7) 相談〜調査〜報告の流れ(当日の不安を減らすために)

だいたい次の順番です。

問い合わせ(電話・メール・LINEなど)

ヒアリング(状況と目的の整理)

プラン提示と見積もり

契約(書面で確認)

調査実施

報告(報告書・写真など)

必要なら次の相談(弁護士相談など)

ポイントは「3)の時点で、疑問が残っていない状態にする」こと。分からないまま進めると、たいてい後で後悔します。

8) 依頼者側が気をつけると、調査がやりやすくなること

調査の腕だけでなく、依頼者の行動で結果が変わることもあります。

調査中は相手を問い詰めない(警戒されると難易度が上がる)

自分で危ないことをしない(無断GPS、スマホ覗き見などはリスク)

予定変更や外出の兆しがあれば早めに共有する(当日情報は強い)

「やりたい気持ち」を抑えるのが一番難しいのですが、ここを守るだけで成功率が上がるケースがあります。

9) 相談時にそのまま使える「質問テンプレ」

初回相談は緊張します。聞くことを事前に決めておくと、流されにくくなります。下の質問は、ほぼそのまま読んでOKです。

見積もり・料金について

今回のケースだと「何名体制」を想定していますか?

1回あたり何時間くらいを見込んでいますか?(根拠も聞く)

交通費・車両費などの実費は、どこまで入っていますか?

延長になったら、何分(何時間)単位でいくら増えますか?

上限(ここで止めるライン)を決める運用はできますか?

報告書の作成費は料金に含まれますか?

調査のやり方について

どういう方法で調査しますか?(尾行・張り込みの想定)

こちらが協力できること/しない方がいいことはありますか?

バレるリスクが高い状況はありますか?(警戒されている等)

予定変更が多い場合、どう対応しますか?

報告とその後について

報告書はどんな形式ですか?(時系列、写真の数、動画の有無)

弁護士に渡せるレベルの報告書ですか?(必要な人だけ)

調査後に追加調査が必要になるのはどんなときですか?

この質問に“具体的に”答えられる事務所ほど、運用がしっかりしている傾向があります。

10) 契約書で見るべきポイント(ここが抜けると揉めやすい)

契約書は読むのが面倒ですが、最低限ここだけは確認したいです。

契約期間(いつからいつまで)

料金の内訳(人数・時間・単価・実費)

追加料金が発生する条件(延長、深夜、遠方など)

中途解約の条件(返金の有無、手数料)

キャンセル規定(前日・当日で何%など)

報告書の納品方法(紙/データ、納期)

個人情報の扱い(写真やデータの保管期間など)

“口頭では言ってた”は通りません。書面に書いてあるかどうかが基準です。

11) 報告書って何を見る?(受け取った後のチェック)

報告書を受け取ったら、次の点を確認すると状況整理がしやすいです。

日時がはっきり書かれているか(開始・終了・移動)

場所が特定できるか(店名、住所、駅名など)

写真が“誰の何の場面か”分かるか

行動が時系列で追えるか(飛び飛びだと弱い)

重要な場面が連続して押さえられているか

目的が「話し合い」なら、ここまで厳密でなくても良い場合があります。目的が「慰謝料請求や調停」なら、時系列と継続性が大事になりやすい。最初に目的を伝える理由はここです。

12) まとめ:迷ったら「比較のしかた」だけ決めよう

探偵に頼むこと自体がゴールではありません。目的は、事実を知って、次の選択をしやすくすることです。

迷っているなら、次の順で進めるとブレにくいです。

目的を一言で決める(例:事実確認/証拠/安全確保)

予算上限を決める(例:ここまで)

2社に相談して、見積もりの“内訳と説明”を比べる

契約書の重要項目(追加・解約・報告)を比べる

「煽られない」「説明が具体的」な方を選ぶ

勢いで決めるとしんどくなりがちです。落ち着いて比較できれば、それだけで失敗はかなり減ります。