携帯の位置情報調査について

携帯電話 位置情報

位置情報とは

位置情報とは、人や物の具体的な位置に関する情報を指します。位置情報サービスは、様々な技術を駆使してこの情報を取得し、特定の位置を把握するために使用されます。一般的に、位置情報サービスではGPS(全地球測位システム)や携帯電話の基地局、さらにはWi-Fiのアクセスポイントなどが利用されます。これらの技術を活用することで、対象物や人の位置を高精度で把握することが可能です。

GPSは、人工衛星からの信号を受信することで位置情報を取得します。GPSデバイスは、地球上の複数の衛星から送信される信号を受け取り、その信号の遅延時間を基に自分の位置を計算します。これにより、緯度、経度、高度という座標で位置が示され、非常に高い精度で位置情報が把握されます。特に、スマートフォンやカーナビゲーションシステムなどでは、GPS技術が広く利用されています。

また、携帯電話の基地局を用いる位置情報サービスもあります。この技術では、携帯電話が接続されている基地局の位置を基に、その端末の位置を推測します。複数の基地局と接続することで、より正確な位置情報を得ることができますが、GPSほどの精度は期待できません。基地局を利用した位置情報サービスは、GPSが利用できない屋内や地下などの環境で有効です。

さらに、Wi-Fiのアクセスポイントを利用した位置情報サービスもあります。この方法では、周囲にあるWi-Fiネットワークのアクセスポイントの位置を基に、端末の位置を推測します。Wi-Fiのアクセスポイントは、通常固定された場所に設置されているため、その位置を特定することで、端末の相対的な位置を把握することができます。この方法は、特に都市部や商業施設など、Wi-Fiネットワークが密集している場所での位置情報取得に適しています。

位置情報は、緯度と経度という座標で表されます。緯度は地球の赤道からの南北の位置を示し、経度はグリニッジ子午線からの東西の位置を示します。これらの座標を組み合わせることで、地球上のどこにでも正確な位置を示すことが可能です。位置情報は、ナビゲーション、地図サービス、位置に基づいた広告やサービス提供、セキュリティ、緊急対応など、様々な分野で活用されています。

携帯電話の位置情報は調べられる?

探偵事務所に寄せられる相談の中には、時折「携帯電話番号は知っているが、その人物が今どこにいるのかを位置情報で特定できないか」という問い合わせがあります。こうした相談を寄せる人々は、配偶者や恋人の浮気の問題に悩んでいる場合や、家族が突然家出してしまい、その行方を捜索したいと願うケース、さらには金銭トラブルに巻き込まれ、債務者の行方を追いたいと考えている人たちなどが多いです。彼らにとっては、携帯電話番号からその人物の現在地を把握できるかどうかが非常に重要な情報となるため、真剣にこの方法が可能かどうかを探偵に問い合わせてきます。

では、実際に携帯電話番号からその所有者の位置情報を取得することは可能なのでしょうか?これについては、いくつかの条件や制約があるため、簡単にできることではないというのが現実です。まず、日本の大手携帯電話会社の中には、携帯電話の紛失や盗難に対応するためのサービスが提供されています。例えば、NTTドコモには「ケータイお探しサービス」というサービスがあり、ソフトバンクでは「紛失ケータイ捜索サービス」といった類似のサービスが存在します。これらのサービスを利用することで、携帯電話の現在地を確認することができる場合があります。

しかし、このような位置情報サービスにはいくつかの条件が伴います。まず、これらのサービスを利用するためには、携帯電話の所有者本人が事前にサービスに登録している必要があります。つまり、配偶者や家族、恋人が勝手にその人物の携帯電話を探すことはできないのです。また、携帯電話の位置情報検索機能がオンになっていなければ、そもそも位置情報を取得することができません。さらに、検索を行った場合、対象の携帯電話に検索中である旨の表示が出てしまうことも多く、これによって検索されていることが相手に気づかれてしまう可能性があるのです。

この位置情報検索機能は、実際に自動車保険の事故対応処理サービスなどでも利用されています。事故現場で素早く被保険者の位置を特定し、迅速な対応を行うために、位置情報サービスが活用されることがあるのです。しかし、こうした場合でも、やはりサービスの事前登録が必要であり、携帯電話の位置情報設定がオンになっていることが前提となります。つまり、いかに便利なサービスであっても、所有者の同意と事前準備が不可欠であり、全ての状況において簡単に利用できるものではないのです。

このように、携帯電話番号から位置情報を特定することは、技術的には可能な場合があるものの、多くの制約があり、実際には非常に困難なプロセスを伴います。

探偵は警察のように位置情報は調べられない

位置情報

位置情報を利用するサービスやアプリは、実際に多くの分野で活用されています。例えば、親が子供の安全を守るために、子供の現在地を確認するためのアプリをインストールして使ったり、認知症を患う高齢者が万が一徘徊してしまった場合に備えて、その位置を追跡できるサービスが提供されています。こうした位置情報サービスは、家族やケア施設、場合によっては地域社会全体にとって非常に有益なツールとなり得ます。しかし、これらのサービスを利用するためには、個人であれグループであれ、事前の登録や本人の認証が必要です。位置情報を勝手に追跡することができるわけではなく、利用者の同意が必須となっています。

しかし、こうした位置情報を利用できるアプリを他人の携帯電話に無断でインストールし、位置情報を密かに追跡した場合、その行為は違法となります。たとえ対象が配偶者であっても、無断でその携帯電話に位置追跡アプリをインストールし、勝手に操作して位置情報を取得する行為は、プライバシーの侵害に該当する可能性が高く、法律で禁じられています。このような行為を第三者が行った場合、さらに深刻な問題となり、刑事罰が科されることもあります。日本の法律では、他人のプライバシーを侵害する行為は厳しく罰せられるため、このような手段に頼ることはリスクが高いです。

一方で、警察による犯罪捜査では、携帯電話の位置情報を活用することが一般的に行われています。捜査機関は、容疑者が使用している携帯電話を特定し、その位置情報を追跡することで、容疑者の居場所を突き止めたり、逃亡を防いだりするケースがあるとされています。この場合、警察は携帯電話会社の協力を得て、法的手続きを踏んで位置情報を取得しています。こうした捜査の一環としての位置情報の取得は、警察の活動の一部として正当化されていますが、それでも制約があります。例えば、携帯電話の電源がオフになっている場合、位置情報を追跡することはできません。電源が切られている間は、携帯電話は通信を行わないため、当然ながらその場所を特定することが不可能となります。しかし、電源がオンにされた瞬間から、その携帯電話の位置情報が再び取得可能になるため、警察はその一瞬を捉えて位置を特定することができるとされています。

このような警察の捜査方法に関心を持つ人々の中には、探偵事務所でも同じようなことができるのではないかと期待して問い合わせてくる人がいます。特に、配偶者や恋人の浮気を疑っている人や、家族が行方不明になっている状況に直面している人々は、何とかして相手の現在地を知りたいと強く願っています。警察が捜査で使っているような位置情報の特定技術を民間の探偵も駆使できるのではないかと考え、探偵事務所に問い合わせるケースが多いのです。しかし、現実には、民間の探偵が携帯電話の位置情報を特定することはできません。これは、法律上の問題や技術的な制約が存在するためであり、探偵事務所が警察のように携帯電話会社から位置情報を取得することは許されていないのです。

無くした携帯電話を有料サービスで見つけることができる

NTTドコモが提供している「ケータイお探しサービス」は、ユーザーが自身の携帯電話やスマートフォンを紛失した際に、そのおおよその位置を検索することができる便利なサービスです。このサービスは、FOMA、Xi(クロッシィ)、および5G対応機種に対応しており、さらにiモード対応機種およびspモード対応機種でも利用することが可能です。このため、幅広いドコモユーザーが安心して利用できるサービスとなっています。

特にGPS対応の携帯電話を使用している場合は、この「ケータイお探しサービス」を通じて、GPSを利用した高精度の位置情報を取得することが可能です。GPS機能により、地図上で携帯電話の具体的な位置を確認することができるため、携帯電話がどこにあるのかをより正確に把握することができます。これにより、電車やバスの中で置き忘れたり、家の中で紛失してしまった場合など、日常的な紛失の際にも大いに役立つ機能となっています。

このサービスは、位置情報を確認するだけでなく、紛失した携帯電話の現在地を特定するための強力な手段として、特にスマートフォンの持ち主にとって心強いサポートとなります。ドコモのネットワークに接続された端末であれば、ユーザーは他のデバイスやパソコンから簡単にアクセスし、現在地を検索することができます。このように、紛失時の不安を軽減し、早急に携帯電話を取り戻すための対策として、多くのドコモユーザーに利用されているサービスです。

さらに、このサービスは、携帯電話の電源が入っている状態であれば位置情報の取得が可能となっており、紛失した携帯電話がどのくらいの距離にあるか、あるいはどの方向にあるのかを迅速に把握することができます。特にGPS対応端末の場合は、屋外での紛失においても高い精度で位置を特定できるため、携帯電話がどのエリアにあるかがすぐに判明することが期待できます。

携帯の位置情報を調べる業者は詐欺

他人の携帯電話の位置情報を提供するといった魅力的な謳い文句で顧客を引きつけようとする偽探偵業者がごくまれに存在します。しかし、こうした業者に頼ることは非常に危険であり、詐欺である可能性が極めて高いと言えるでしょう。偽探偵業者は、依頼者の不安や焦りに付け込んで、携帯電話の位置情報を取得するという名目で多額の料金を請求することがあります。例えば、1回の位置情報検索に対して数千円から十数万円もの金額を請求することがあり、結果として得られる情報は信頼性のないものであることがほとんどです。よくある手口として、「検索は行ったが携帯電話の電源がオフになっていたため、位置情報が取得できなかった」といった説明をされる場合や、全くのでたらめな住所を教えてくることもあります。

仮に偽探偵業者が何らかの位置情報を提供してきたとしても、その情報が正確であるとは限りません。位置情報が取得できたとしても、その場所は携帯電話の基地局やアンテナの位置を示すだけであり、実際の携帯電話の持ち主がいる正確な場所を示すわけではありません。特に都市部では、基地局の位置から算出された場所が半径10メートルや50メートル以内の範囲で表示されることが多く、具体的な位置を特定するには限界があります。警察であれば、この範囲内で人員を大量に投入し、対象者の確保を試みることができますが、個人や民間の探偵業者では人員も限られており、このような方法で確実に相手を見つけ出すことは非常に困難です。

また、近年では携帯電話の位置情報機能を利用したGPS発信機などの追跡装置も登場しています。これらは、特に車両の追跡に利用されることが多く、車の移動経路を把握するために一定の効果を発揮します。しかし、このようなGPS発信機を人に対して使用する場合、携帯電話の位置情報と同様に正確に相手を探し出すことは難しいとされています。たとえば、GPS発信機がデパート内にいることを示していたとしても、デパートのどの階にいるのかまでを特定することはできません。さらに、相手が動き回っている場合、その追跡はさらに難しくなります。このような状況では、正確な位置情報を把握することは非常に難しく、追跡がうまくいかないケースが多いです。

また、GPS発信機を使用する際には法律の遵守が非常に重要です。例えば、配偶者が所有する車にGPS発信機を取り付けることについては、以前は問題視されないことが多かったものの、近年では警察や司法機関もこの点に注意を払っています。最高裁判所では、無断でGPS発信機を他人の車に取り付ける行為は違法であるとの判断が下されています。このため、たとえ配偶者であっても、勝手に相手の車にGPS発信機を取り付ける行為には法的なリスクが伴うことを理解しておく必要があります。

現実問題として、現在の日本において、きちんと登録された探偵業者の中で携帯電話の位置情報を無断で取得することができる業者は存在しません。法律や倫理に反する行為を行うことが許されていないため、探偵業者が合法的に携帯電話の位置情報を特定することは不可能です。そのため、もしも「携帯電話の位置情報を特定できる」と謳っている業者がいた場合、それは詐欺の可能性が非常に高いと考えられます。依頼者の心情に付け込んで不当に高額な料金を請求する偽探偵業者に引っかからないよう、十分に注意することが必要です。